精神科看護師が摂食障害になった話第3話

精神科看護師が語る摂食障害の体験談

今回もご覧いただきありがとうございます。Kukiです。

「摂食障害とは?」と疑問に感じている方や悩んでいる方、周りで「摂食障害かも?」と思う人がいる方などへ向けた記事です。

精神科看護師である私自身の体験を交え、摂食障害のサインや気づきのヒントをお伝えします。

摂食障害の傾向が表れていたと思う私の体験は、
①食事制限 ②過剰な運動 ③下剤・漢方・サプリの多用です。

一つ一つのエピソードが長いので笑、
第3話は、①食事制限について綴っていきます。

拒食症が陥る代表的な症状「食事制限」

 拒食症の食事制限は、一般的には「少しでも痩せたい」という思いから始まります。カロリー制限を徹底し、糖質や脂質といった“太りそうなもの”を避け、次第にまたは極端に食べる量を減らしていくのが特徴です。

私の「食事制限」→食事摂取量を減らす

 私も上記のような食事制限の特徴が表れていました。

体重を減らす=食事量を減らすのが一番の近道だと思っていました。

ですがもちろん食欲があるので簡単に食事量を減らしたり、食べたいものを我慢したりすることはできません。

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そこで最初に始めたのが“空腹感を紛らわす”ことでした。

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そのために、取り入れたのが

0kcalの炭酸飲料や少量でよく噛むもの(例えばナッツなど)の摂取です。

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 私の場合、おやつはもともとそんなに食べる方ではなかったので、「おやつなど無駄食いをやめる」といった減量法はミスマッチでした。3食の食事量を減らす以外に食事量を減らすタイミングがなかったんです。

なので、食事前に炭酸飲料500mlを1本飲んでから食事をするようにしました。

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また、よく噛むと満腹中枢が刺激されるとネットで見たので、ミックスナッツを手のひら1杯分夕食前に食べていました。

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そうすることで普段食べていた量より少ない量で「お腹いっぱい」と思えました。

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 この食事法は入院する3ヶ月位前まで続けていたので、約5ヶ月続けたことになります。

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 思い返すとこの間、最初は空腹感の紛らわしで始めたことが、次第にその目的のためというより、強迫的なルーチンになっていたように思います。

実際に、炭酸飲料+ミックスナッツを食前に食べないと食べ過ぎてしまうから、それが食前に摂取できないなら食事自体始められないという状況でした。

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 それとは別に、食事量を減らすためには3食食べる必要がないと考えた私は、2食へ減らし、最終的には夕食1食のみしか摂取しなくなりました。

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 これも減量を決意した時から急にできたことではなく、空腹感の紛らわしを続けていくことで空腹感を感じなくなり、それならとまず朝の1食を減らしました。

2食になっても意外と平気な自分に“嬉しい”ような“気持ち良い”ような感覚があり、最終的に夕食1食だけにまで減らしてしまったのです。

私の「食事制限」→カロリー・糖質・脂質を極力カット

 食事の内容について、最初は気にならなかったカロリー・糖質・脂質が徐々に気になるようになりました。

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 糖質では小麦や米製品全般食べられなくなりました。そのため主食となるパン・米・麺などは口にしなくなりました。また芋類やフルーツ、デザートも糖質を気にして食べられませんでした。

 脂質では、揚げ物はもちろん、乳脂肪分が多い飲み物やデザート、調味料も避けるようになりました。

 カロリー・糖質・脂質が高いものは無条件に“摂取してはダメなもの“としていたので、ほとんどが禁止食となり、自分の中での許可食は今思い出せるもので、

こんにゃくや豆腐、野菜(芋やカボチャ等を除く)、0kcal製品、ナッツ(脂質が高いクルミなどは除く)、一部のプロテインバー位になってしまいました。

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 外食などで提供されるものは“残すのは申し訳ない”けど“食べるのが(増量につながりそうで)怖い”という感覚があり、他人との食事の誘いも次第に断つようになっていきました。

 毎日の食事量が減り、食事内容も変化して、入院直前1ヶ月は1日1食ビールと豆皿分のおかずだけの日がほとんどとなりました。

単なる減量のつもりが、拒食症の症状にどハマり

 約半年間でここまで食事制限の継続…というより強化ができてしまった理由として、体に栄養を入れないことが“達成感“や“快感“に変わったことや、“無価値な自分には当たり前の処遇だ“と感じていたことが影響していると思います。

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今思い返すと、単にダイエットをしたかっただけではなかったのです。

元々皆無に近い“自己肯定感”が、この時期さらに無くなったと感じていた時期で、漠然と「死にたい」というより「消えたい」という感覚に陥っていた時期でした。

 そのため、自分の体に栄養を入れることは「消えたい」ことの逆の行動のように思え、またこんな無価値な自分に食事を与えるなんて“もったいない”とも捉えていました。

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 そんな中、自分の体が栄養を欲しがっていても入れないことができると「食欲を超越して、生きたいという欲の支配をコントロールできている」と達成感を感じ、実際ストイックに取り組むと体重という結果がちゃんとついてくるので、「自分にもやればできる面がある」と自己肯定に結びつけていました。

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 ⇩この感覚は私だけのものなのか、摂食障害の症状の一つなのか気になったので調べたところ厚生労働省の「摂食障害」のページに記載がありました。ぜひページに飛んで情報収集してみてください!

 こうした流れで無理な食事制限がエスカレートし、気づいた時には「拒食症」と診断される病態にどっぷりはまり込んでいたのです。

拒食症の食事制限は、きっかけは認識していても、いつの間にか自分でも制御が効かなくなるという点が怖さだと体感しました。

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 要約したつもりでもここまで長文になるあたり、「食事制限」というのは、拒食症の代表的な症状なのだと改めて気付かされました。

いずれ食事制限のことについてはもうちょっと詳細を発信できたらいいなと考え中です。

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 ちなみにInstagramでは、自宅で食事療養中の私の3食を細々載せています。興味がある方は覗いてみてください👀✨

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 次回は、精神科看護師が語る摂食障害の体験談「②過剰な運動」について書いていければと思っています。

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「向き合っているのは自分だけじゃない、一人じゃない。」

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それでは、また〜🪽

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About Me

Kuki(空気)

摂食障害持ちの
元精神科ナース、保健室の先生
29歳
東京出身
4年制大学看護学部卒業

病院の精神科ナースとして5年勤務後,
学校の保健室の先生として1年働く。
その間に摂食障害を発症し、1ヶ月入院。仕事は退職し現在自宅で治療中。

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