精神科看護師が摂食障害になった話第4話

精神科看護師が語る摂食障害の体験談

お久しぶりになってしまいました(汗)

今回もご覧いただきありがとうございます。Kukiです。

「摂食障害とは?」と疑問に感じている方や悩んでいる方、周りで「摂食障害かも?」と思う人がいる方などへ向けた記事です。

精神科看護師である私自身の体験を交え、摂食障害のサインや気づきのヒントをお伝えします。

摂食障害の傾向が表れていたと思う私の体験は、
①食事制限 ②過剰な運動 ③下剤・漢方・サプリの多用です。

第3話の続きで、
第4話は、②過剰な運動ついて綴っていきます。

拒食症が陥る代表的な症状「過剰な運動」

 拒食症における過剰な運動強迫のきっかけは、痩せたい気持ちが先行にあり「食べてしまったけれどその分運動して消費すれば大丈夫」という安心感にあります。一般的には、軽い運動から始まったものが徐々に時間や強度が増していく流れが多いです。

私の「運動強迫」→はじまりは家でできる軽い運動から

 私の場合も上記と同じく、はじまりは家でできる軽い運動がきっかけでした。

その時の運動メニューは、

①腹筋×15回 2セット

②プランク30秒キープ

③レッグアップツイスト×20回

(↑足を浮かせてキープしながら上体ひねり)

④足パカ運動×10回

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 この運動メニューは、

“自宅でダイエット・筋トレ”と掲げられているYoutubeやSNSの情報を組み合わせた「自己流」です。

 はじめは「今日はお菓子を食べて、いつもよりカロリーを摂ったからその分くらいは消費しよう。」というくらいの気持ちだったので、やらない日もありました。

もともと運動がキライ+急激に見た目や体重値が変化することはなかったので、運動に対するモチベーションは最初はそんなに高くなかったんです。

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 でも習慣化していくとお菓子を食べていない「いつもよりカロリーを摂った」と思わない日でも、“運動してカロリーを消費することは摂取カロリーに限らず良いこと“と感じるようになり、やらないと「サボってしまった」という罪悪感や1日のToDoリストをやりきれなかった気持ち悪さが生じるようになりました。

私の「運動強迫」→外での運動も追加

 運動の成果か、この時からすでに食事制限をしていたのでその成果かは分かりませんが、体重は徐々に減っていきました。

 ルーチンをこなせていることや体重が減るという目に見えた目標の達成が、自分の肯定感に繋がり「もっとやればさらに結果を出せる」と思い、運動の頻度が増えました。

その時は上記運動メニューに加えて

10,000歩以上のウォーキング

をするようになりました。

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 実際、10,000歩のウォーキングを習慣化するために運動の時間を作るのではなく、その時徒歩通勤をしていたほど職場と家が近かった私は、職場→家と直接帰宅するのではなく3駅分ほどを往復する帰宅ルートを設けて約1時間かけて帰っていました。

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 今思い返すと夏は暑いし冬は寒いし、食事制限中でフラフラの中自分に強制していたので、散歩気分には到底なれずいつも調子が悪かったなと。

そんな中でも続けていたので、“過剰”で“強迫的”な運動だったと今はハッキリ思います。

私の「運動強迫」→摂取したと思うカロリー分運動で消費するように

 軽い家でできる運動からウォーキングを追加し継続していましたが、入院する3ヶ月前くらいには「1日に摂取したカロリー分だけ消費しなければ」と思い、何か口に入れたらその度にウォーキング・ランニング・サイクリングするようになりました。

 これが実現できたのは、保健室の先生として働いていたからこその休み期間“冬休み”中だったからです。

仕事をしていれば、食事を摂った度に運動に出ることはできませんが、長期休みだったので可能となってしまいました。

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 さらに、その期間にはクリスマスやお正月など“食べる”イベントが多くあり、食事制限していても普段より食べる機会が増えていたので、必然と運動する時間も増えました。

 ちょうど1年前くらいです。振り返ると去年のお正月は、おせちを少しつまんで、食事時間の倍は外に出てウォーキング・ランニング・サイクリングをしていました。

全く身も心も休まらないお正月です泣

 食事をした後は必ず運動。

カロリーを摂取したことに対する罪悪感を軽減するために体を酷使していました。

単なる減量のつもりが、拒食症の症状にどハマり

 このような過剰な運動強迫は心身の負担を無視し、次第に生活の中心となってしまう怖さがあります。

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 拒食症における過剰な運動強迫から抜け出せない理由には、

一般的に、運動は“太ることへの恐怖“や“達成感“を生むため、止めることが困難になるという心理的な要因が大きく関わります。

 私も運動習慣を始めてからは止めることに強い罪悪感を抱くようになりました。また、運動を続けることで「自分をコントロールしている」という自己肯定感を得られ、それが止められない要因となっていたように思います。

 このような心理は、運動が依存対象のような存在になるため抜け出すのが非常に難しくなるようです。

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 今回は食事制限に続き過剰な運動について綴りましたが、食事制限の方は最中から自覚していた部分があったのですが運動に関してはあまり自覚がなかったので、今こうやって振り返ってみて「過剰だったな」「強迫的だったな」と改めて気付かされました。

 ちなみに今もウォーキングは手放せない運動の一つで、10,000歩のために外出することは多々あります。

それでも去年に比べ「強迫的」な部分はだいぶ薄れているので、徐々に手放せていけたらいいなと思っています。

…一気に改善はあり得ないですもんね!

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次回は、精神科看護師が語る摂食障害の体験談「③下剤・漢方・サプリの多用」について書いていければと思っています。

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「向き合っているのは自分だけじゃない、一人じゃない。」

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それでは、また〜🪽


About Me

Kuki(空気)

摂食障害持ちの
元精神科ナース、保健室の先生
29歳
東京出身
4年制大学看護学部卒業

病院の精神科ナースとして5年勤務後,
学校の保健室の先生として1年働く。
その間に摂食障害を発症し、1ヶ月入院。仕事は退職し現在自宅で治療中。

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